検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 31 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

報告書

圧縮ベントナイトにおける重水の実効拡散係数の活性化エネルギー -透過試験と分子動力学シミュレーションの比較-

鈴木 覚; 佐藤 治夫; 石寺 孝充; 藤井 直樹*; 河村 雄行*

JNC TN8400 2001-031, 44 Pages, 2002/05

JNC-TN8400-2001-031.pdf:1.58MB

圧縮ベントナイト中における重水の実効拡散係数の活性化エネルギーを取得するために、温度298-333Kの条件下で透過拡散試験を行った。クニピアFベントナイトを圧縮成型(乾燥密度0.9および1.35Mg/m3)すると、スメクタイト粒子が圧縮方向に垂直に選択的配向性を示す。そこで、配向方向に平行な方向と垂直な方向のそれぞれの拡散方向について拡散試験を行った。重水の実効拡散係数は異方的であり、その乾燥密度に対する変化はトリチウム水の結果と調和的であった。また、実効拡散係数の活性化エネルギーは、19-25kJ/mol程度であり、バルク水中の重水の拡散の活性化エネルギー(18kJ/mol)よりもやや大きな値であった。スメクタイト-水混合物の分子動力学シミュレーションにより、水分子の活性化エネルギーの間隙水中における空間分布を計算したところ、スメクタイト表面近傍(2nm以内)の水の活性化エネルギー(18-23kJ/mol)は、沖合のそれ(16kJ/mol)に比べ大きかった。拡散経路の乾燥密度に対する変化を考慮すると、シミュレーションの結果は、乾燥密度とともに活性化エネルギーが増加することを示しており、拡散試験の結果をよく再現していた。

論文

Study on uptake of europium by the thin film of apatite and smectite mixture using RBS and micro-PIXE

大貫 敏彦; 香西 直文; Samadfam, M.; 山本 春也; 鳴海 一雅; 楢本 洋; 神谷 富裕; 酒井 卓郎; 村上 隆*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 181(1-4), p.644 - 648, 2001/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:33.81(Instruments & Instrumentation)

アパタイトとスメクタイトの混合薄膜を用いて、Euの水溶液からの除去について検討した。薄膜中のEuの分布について、深さ方向に関してはRBSを、水平方向については、Micro-PIXEを用いて分析した。その結果、Euは深さ方向には一様に分布した。一方、水平方向についてはPの分布とほぼ同じになった。このことは、Euがアパタイトに収着していることを示している。

報告書

分子動力学法によるNa型スメクタイトの層間水の振動スペクトルの研究

鈴木 覚; 河村 雄行*

JNC TN8400 2001-005, 41 Pages, 2001/04

JNC-TN8400-2001-005.pdf:1.1MB

水-粘土混合系の分子動力学計算によりNa型スメクタイトの層間水の振動スペクトルと層間水の構造の関係について研究した。得られた計算結果は、赤外分光法によるスメクタイトの層間水の観察結果とよい一致を示した。水分子の分子内振動スペクトルは水素原子の速度自己相関関数をフーリエ変換することにより得られる。層間水の伸縮振動スペクトルには、3400cm-1に最大強度を持つ幅の広いピークと3650-3700cm-1周辺のやや鋭いピークにより構成される。前者の幅広いピークはバルク水のような水分子のO-H結合の伸縮振動に帰属され、一方、後者のピークはシロキサン表面に水素結合により配向したO-H結合に帰属される。酸素-酸素間の動径分布関数より水素結合距離を評価したところ、水分子とシロキサン表面の水素結合距離(3.0$$AA$$以上)は、水分子-水分子間のそれ(2.8$$AA$$)よりも大きいことがわかった。これらの結果は、水分子とシロキサン表面間の相互作用は、水分子を配向させる程度には大きいが、水分子-水分子間と比べると弱いということを示していると考えられる。

報告書

岩石及び鉱物と地下水との反応に関する研究(緑泥石化に関する実験的研究)-先行基礎工学分野に関する報告書-

鶴留 浩二; 澁江 靖弘*; 時澤 孝之; 山本 正博*

JNC TY6400 2000-013, 102 Pages, 2000/02

JNC-TY6400-2000-013.pdf:2.45MB

本研究は、地熱地帯に適用されている緑泥石地質温度計について、その妥当性を実験的研究を通して検証することを目的としたものである。実験によって玄武岩と熱水との反応で生じる緑泥石化あるいは粘土鉱物化について検証するとともに、これらの化学組成と熱水の温度との関係を検証するための室内実験を平成9年度から平成10年度にかけて行った(尚、本研究は平成10年度で完了した)。熱水の温度を摂氏200度、摂氏250度、摂氏300度、摂氏350度、摂氏400度、さらに地層科学への応用の可能性も考慮にいれて摂氏100度、摂氏150度に設定して実験を行った。これらの実験で得られた結果は次のようにまとめられる。(1)固相粉末のX線回折分析では、いずれの実験においてもエチレングリコール処理後のピークの移動からスメクタイトが生成していることが確認できた。しかし、緑泥石あるいは緑泥石/スメクタイト混合層の生成は確認できなかった。(2)角柱の薄片の顕微鏡写真から見ると、熱水変質が進行したために、玄武岩の組織の乱れや微細な粘土化が確認された。(3)反応させた海水の組成と実験後の水溶液の組成を比較すると、陽イオンの重量比に変化が認められた。これまで玄武岩と海水との反応に関する低温から高温(摂氏500度)での実験では、緑泥石が生成しない。その代わり、緑泥石/スメクタイト混合層鉱物の生成の可能性が考えられた。しかし、今回の実験では当初目的としていた緑泥石あるいは緑泥石/スクメタイト混合層鉱物の生成は確認できなかったが、今後、さらに高温・高圧条件下での研究や検証が望まれる。

報告書

Sn(IV)のベントナイト・岩石への収着実験およびベントナイト中の拡散実験

小田 治恵; 池田 孝夫*; 柴田 雅博

JNC TN8400 99-073, 112 Pages, 1999/11

JNC-TN8400-99-073.pdf:2.79MB

ニアフィールドにおける核種移行評価において、ベントナイト中の核種の拡散挙動と、ベントナイト中および周辺岩盤中での収着挙動に関するメカニズムを理解し、処分環境条件での分配係数・拡散係数を適切に設定する必要がある。本報告書では、地層処分システムの安全評価上、重要核種のひとつであるSnについて、低酸素濃度条件下におけるベントナイト・岩石へのバッチ式収着実験、ベントナイト中の拡散実験(乾燥密度:0.4、1.0、1.6[g/cm3])を行った。また、スメクタイトへの収着実験およびスメクタイト・ベントナイトへ収着したSnの脱着試験を行い、ベントナイトへの収着形態について考察を行った。求められた分配係数は、ベントナイト103$$sim$$106[ml/g]、凝灰岩104$$sim$$105[ml/g]、花崗閃緑岩103$$sim$$105[ml/g]であった。これらの実験結果に基づき、ベントナイトへのSnの収着挙動は、スメクタイトと黄鉄鉱への収着反応が支配的なメカニズムであること、収着挙動へ与える支配的な影響因子はpHであること、また、ベントナイトへ収着したSnは、固相内部へ取り込まれるなどの非可逆的な化学形態をとることを推定した。ベントナイト中のみかけの拡散係数は乾燥密度0.4、1.0[g/cm3]でそれぞれ10-13、10-14[m2/sec]程度と求まった。1.6[g/cm3]ではより長期の実験が必要とされた。さらに、拡散プロファイルより、圧縮ベントナイト中での分配係数および間隙水中の溶解度を算出し、バッチ系での実測値との比較を行った。圧縮系での分配係数算出値はバッチ系での実測値よりも数桁低いことを確認した。一方、バッチ系での溶解度実測値と圧縮系で推定された溶解度とはほぼ一致した。本研究は、圧縮ベントナイト中でのSnの収着挙動がバッチ系とは異なる可能性を示すと同時に、圧縮ベントナイト中の収着・拡散メカニズム解明にはまだ多くの課題が残されていることを指摘する。

報告書

緩衝材の鉱物学的長期安定性評価

渡辺 隆*

PNC TJ1626 98-001, 123 Pages, 1998/04

PNC-TJ1626-98-001.pdf:5.28MB

スメクタイトの長期安定性評価に資することを目的として、下記の(1)$$sim$$(3)の研究を行った。(1)月布鉱山産ノジュール-ベントナイト中の不純物としての炭酸塩団塊について-(2)スメクタイトの鉄および溶液による反応(3)スメクタイトの変質にともなうAl、Ca、K、Feの影響についてその結果、それぞれ以下のような結果を得た。(1)ノジュールのタイプは外形より大きく5つ(球状、レンズ状、レンズ状セメント、セメント内部にノジュール、ノジュール内部にノジュール)に分類される。鉱物組成は炭酸塩鉱物を主体とし、核から殻にかけて、均一または同心円状に変化している。化学組成は炭酸塩鉱物に起因するCaO、MgOが卓越しており、鉱物組成と同様の変化を確認された。(2)スメクタイトと鉄の反応では、酸化状態でFeOOHの形でスメクタイト表面に付着し、層間に存在することが分かった。その層間陽イオンは加熱による八面体への移動は認められなかった。反応系の温度の変化による同型置換型の変化はなかった。スメクタイトと溶液の反応では、Na/Ca濃度に依存して、スメクタイト層間でのイオン交換が生じ、Na/(Na+Ca+Mg)=0.65で層間陽イオンはCa型に変化する。スメクタイトと温度の反応では、温度増加による四面体型置換の増加が確認された。(3)0.1GPa・500$$^{circ}C$$条件下でFe-緑泥石様鉱物がクニピアF(Kpa-1)、SWy-1と磁鉄鉱の混合物から合成された。熱水条件下における長期の実験においても、スメクタイトのK固定はK:2000ppm濃度では高い水和エネルギーをもつCaより、K濃度の方が重要であることがわかった。

報告書

火山ガラス及びベントナイトの長期変質挙動に関する調査研究(XI)

二口 克人*; 桜本 勇治*; 山浦 昌之*; 政枝 宏*; 坂上 麻子*; 橋本 秀爾*

PNC TJ1308 98-001, 103 Pages, 1998/02

PNC-TJ1308-98-001.pdf:12.46MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わるナチュラルアナログ研究の一環として、火山ガラス及びベントナイトの変質性状に関する調査を実施した。火山ガラスについては、昨年度調査対象とした滋賀県堅田地域に分布する湖成層中の喜撰火山灰層を対象にして、火山ガラスの変質に関与した水について調査した。火山ガラス採取位置周辺の河川水、露頭流下水を分析した結果、水質がCa-HCO3型であり、粘土層から抽出水(昨年度分析)に比べ0.2$$sim$$0.3倍程度溶存成分の濃度が低いことがわかった。ベントナイトについては、新潟県西頸城のモンモリロナイトを含む堆積岩について、貫入岩による熱変質に関する現地調査及び分析結果をもとに、貫入を受けた泥質岩の熱履歴について、数値解析を用いて復元を試みた。その結果、10万年程度の間100$$^{circ}C$$以上の温度条件であった地点で、スメクタイトが安定であった可能性が示唆された。

報告書

放射性廃棄物地層処分における緩衝材および岩体中の核種移行に関する研究

佐藤 治夫

PNC TN8410 97-202, 205 Pages, 1998/01

PNC-TN8410-97-202.pdf:14.14MB

本論文は、放射性廃棄物地層処分における緩衝材候補材料の1つであるNa型ベントナイトおよび代表的岩石について、間隙率および屈曲度などの間隙構造因子ならびに核種拡散係数の測定を行い、基礎的データを蓄積すると共に、長期的な核種移行を定量的に予測できる拡散モデルを構築し、予測手法の基礎的理論を確立することを目的として研究された結果をまとめたものであり、7章から構成される。各章では、人工バリアとしてのNa型ベントナイトと天然バリアとしての花崗閃緑岩、玄武岩と泥岩の物性値に関する測定データと電気二重層理論および分子拡散理論に基づいて構築されたモデルが、地層処分の立案の際、緩衝材と地層構成岩石の特性を考慮することにより、バリア内の核種拡散挙動の予測と処分場性能評価を槻ね定量的に可能にしすることを示している。尚、本論文は、筆者が平成6年4月22日$$sim$$平成9年3月18日にかけて秋田大学大学院鉱山学研究科博士後期課程(地球工学専攻)に在籍し、事業団において得られた成果(投稿論文)を中心に博士論文としてまとめたものである。

論文

文献紹介; 高pHにおけるスメクタイトの挙動

佐藤 努

スメクタイト研究会会報, 8(2), p.44 - 46, 1998/00

放射性廃棄物処分研究では、セメントの劣化にともなう間際水の高pH化や高pH間際水と岩石・ベントナイトの相互作用の理解への緊急性が高まっている。本文献紹介では、高pHにおけるスメクタイト(ベントナイトの主要成分)の挙動に関するデータや見解を整理するとともに、上記問題の解決に向けた研究の方向を提言した。

論文

スメクタイトの吸着水の構造と性質

佐藤 努

スメクタイト研究会会報, 7(2), p.2 - 13, 1997/11

スメクタイトは代表的な地球表層物質であり、放射性廃棄物の地層処分における緩衝材候補材料(べントナイト)の主要構成鉱物である。したがって、地球表層や人工バリア中での地下水による放射性核種の移動や貯留現象を把握するためには、スメクタイト中の水の性質を理解することが必須となる。本発表では、スメクタイト中の水と自由水の相違を構造と性質の観点からまとめ、スメクタイトが介在する系における放射性核種の移動・貯留現象を取り扱う上での問題点と今後必要とされるデータについて言及する。

論文

中性子線回折によるスメクタイトの構造解析

佐藤 努

スメクタイト研究会会報, 7(2), p.39 - 41, 1997/00

放射線廃棄物処分研究では、粘土鉱物を含む土壌・岩石中の物質移動を定量的に理解する必要がある。そのためには、組織や間隙の構造、さらには層間を含めた各構造内に含有する水の構造と特性を把握しなければならない。本文献紹介では、中性子線回折を使って上記の問題解決に取り組んだ研究論文を紹介し、得られているデータや見解をまとめた。

論文

Change in layer charge of smectites and smectite layers in illite/smectite during diagenetic alteration

佐藤 努; 村上 隆*; 渡辺 隆*

Clays and Clay Minerals, 44(4), p.460 - 469, 1996/00

 被引用回数:37 パーセンタイル:75.43(Chemistry, Physical)

新第三紀堆積岩中の続成起源のスメクタイトとイライト/スメクタイト混合層鉱物(I/S)のスメクタイト層の層電荷の変化について、X線回折分析による膨張挙動テストにより調べた。その結果、モンモリロナイト様の性質を持つ前駆スメクタイトが、イライト化の始まる前に一部バイデライト様の性質を持つ層に変化することが明らかとなった。また、I/Sのスメクタイト層は、続成変質が進行するにしたがって、層電荷が上昇するという事実も実証された。変質が進行するにつれて生成したバイデライト様の層は、優先的に消滅し、その後に規則型のI/Sの出現が確認された。以上の事実から、I/Sの反応に対しては、バイデライト様の層の出現とその電荷の上昇が影響を与えることがわかった。

論文

A Study of specific sorption of neptunium(V) on smectite in low pH solution

香西 直文; 大貫 敏彦; 松本 潤子; 馬場 恒孝; 伊藤 禎元*

Radiochimica Acta, 75(3), p.149 - 158, 1996/00

ネプツニウムのスメクタイトへの特異吸着(1M KClでは脱離不可能な強い吸着をいう)について、pH2から5の範囲でバッチ式の吸着実験と脱離実験を組み合わせて検討した。スメクタイトに特異吸着したネプツニウムの量は、溶液のpHと交換性陽イオンのスメクタイトに対する親和性の両方に依存した。pHあるいは交換性陽イオンの親和性が低いほどネプツニウムの特異吸量は大きくなった。低pHでのネプツニウムのスメクタイトへの吸着形態は、時間とともに変化した。低pHで吸着したネプツニウムは、実験開始から1日以内ではほとんどが1M KClで脱離可能であった。時間の経過とともにKClで脱離できなくなり、5日以降ではネプツニウムの大部分がKClで脱離不可能になった。このような実験結果に基づき、ネプツニウムのスメクタイトへの特異吸着メカニズムについて検討した。

論文

Effect of crystallochemistry of starting materials on the rate of smectite to illite reaction

佐藤 努; 村上 隆*; 磯部 博志; 大貫 敏彦

Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.239 - 246, 1995/00

高レベル放射性廃棄物の地層処分に用いられるベントナイトは、処分環境下でイライトに変質し、それに伴うバリア性能の劣化が安全評価上問題となっている。したがって、イライト化の速度に対する定量的な解が待たれている。本研究では、熱水変質実験により、産地の異なる2種類のベントナイトの結晶化学的性質がイライト化の速度に及ぼす影響について調べた。出発物質として用いたのは米国ワイオミング産(SWy-1)と山形県月布産(SKu-F)のベントナイトで、SKu-Fのほうが大きな層電荷を持つ。反応生成物の時間変化に伴うイライト化度を調べた結果、両試料には変質速度の異なる2つの段階があり、その1段階目の反応で層電荷の大きいSKu-Fのイライト化が速いことが判明した。これは、層電荷の大きさはイライト化の速度に影響し、層電荷が大きいほどイライト化の速度が速いことを示す。

論文

文献紹介; スメクタイトの不均一性:固溶体か多相混合物か?

佐藤 努

SMECTITE, 4(1), p.48 - 51, 1994/05

ベントナイトの主成分鉱物であるスメクタイトの地球化学的過程における熱力学的挙動を予言するためには、スメクタイトの反応性や安定性についての理解が不可欠であり、そのためにも、スメクタイト族に含まれる鉱物どうしの相関係や関連鉱物との相関係の解明が必須となる。本文献紹介では、中間組成を持つスメクタイトの相関係に関する研究を紹介し、それぞれの見解や筆者が考える問題点についてまとめた。また、相関係を論ずるためのデータとその信頼性について、筆者の考えを明示した.

論文

緩衝材候補材料としてのベントナイトの多様性と変化性; 結晶化学的観点からの検討

佐藤 努

日本原子力学会誌, 36(5), p.405 - 412, 1994/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

高レベル放射性廃棄物の地層処分における緩衡材の最有力候補として考えられているベントナイトは、スメクタイト族のモンモリロナイトを主成分鉱物とする粘土である。スメクタイト族の粘土鉱物は、鉱物間で性質が異なり、その変化性の幅が広い。本解説では、スメクタイト族の粘土鉱物とその多様性について、結晶化学的な観点から解説し、地層処分で緩衡材に期待されている膨張性、復水性、長期安定性が、種々のスメクタイト族の粘土鉱物でどのように異なるのか、その性質の相違は、結晶化学的にどのように説明されているのかについてまとめた。また、上述のような視点から、緩衡材候補材料の検討の方向性と、その規格作成の重要性について述べた。

論文

スメクタイトへのネプツニウムの吸着に及ぼすカルシウムイオンの影響

香西 直文; 大貫 敏彦; 村岡 進

日本原子力学会誌, 36(10), p.955 - 957, 1994/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:28.09(Nuclear Science & Technology)

高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物の地層処分において安全評価上重要な核種である$$^{237}$$Npは、Na型スメクタイトに対し低いpH溶液中で特異吸着し吸着量が増加することをこれまでに明らかにした。一方、ベントナイトではその様な吸着量の増加は報告されていない。この違いについて、ベントナイトに含まれるカルシウムに着目して検討した。カルシウムイオンが存在するとスメクタイトへのネプツニウムの吸着量が少なくなり、それは特に低pH溶液で著しくなった。カルシウムイオンはスメクタイト層間に吸着しやすいといわれていることからも、カルシウムイオンはネプツニウムのスメクタイト層間への侵入を防げる働きが大きいといえる。

論文

Redistribution of strontium and cesium during alteration of smectite to illite

大貫 敏彦; 村上 隆; 佐藤 努; 磯部 博志

Radiochimica Acta, 66-67, p.323 - 326, 1994/00

スメクタイト-イライト変質過程中におけるストロンチウム及びセシウム(濃度:10$$^{-4}$$M)の再分配を、200$$^{circ}$$Cの熱水実験により検討した。その結果、Srは変質を経てもその収着形態は変化せず、多くのSrは1M,KCl溶液により脱離された。一方、Csは変質によりその収着形態を変え、1MKCl,1M,HCl及び6MKCl溶液により脱離されなかった。この原因として、イライト化においてCsが四面体付近の「hexagoral holes」あるいは「fraged edges」と呼ばれるサイトに固定されることが考えられた。

論文

Sorption characteristics of radioactive cesium and strontium on smectite

大貫 敏彦; 香西 直文

Radiochimica Acta, 66-67, p.327 - 331, 1994/00

スメクタイトへの放射性セシウム及びストロンチウムの収着特性を、吸着・脱離実験を組み合わせて検討した。その結果、スメクタイトには2つの収着サイトがあり、1つはCs及びSrが交換可能に収着するサイトであり、もう1つはCsが1MKClでは交換されないサイトである。セシウムの濃度が非常に希薄な場合でも一部が交換可能な収着形態を呈することから、全てのセシウムが非交換性サイトに収着されないことがわかった。これらの結果から、収着機構について検討した。

論文

Sorption characteristics of neptunium by sodium-smectite

香西 直文; 大貫 敏彦; 村岡 進

Journal of Nuclear Science and Technology, 30(11), p.1153 - 1159, 1993/11

 被引用回数:26 パーセンタイル:89.52(Nuclear Science & Technology)

Na型スメクタイトに対する$$^{237}$$Npの吸着特性を、pH2~8の範囲においてバッチ式の吸着脱離実験を行い調べた。1MKCl溶液及び1MHCl溶液を脱離試薬として用いた逐次抽出法により$$^{237}$$Npとスメクタイトの吸着形態について調べた。溶液のpHによって異なる二つの吸着形態が観察された。一つは1MKCl溶液によって脱離可能な吸着形態である。もう一つは1MKCl溶液では脱離できないが1MHCl溶液によって脱離可能な吸着形態で、これはpHが低い溶液で観察された。pHが低い場合にはスメクタイトの面間隔が1.25nmから1.48nmに広がることがわかった。このことから後者の吸着形態は、スメクタイトの面間隔が広がることによりNpがスメクタイトの層間に特異吸着したものであると考えられる。

31 件中 1件目~20件目を表示